Sc研に興味のある学生へ

 Sc研では量子力学と統計力学を用いて、物質の様々な性質の解明や、多彩な物性の背後を貫く普遍的原理を研究しています。 研究成果の多くは一流雑誌に掲載され、他の研究者から数多く引用されています。 学生が無理なく研究活動を開始できるよう、以下の要領で計画的な研究教育を実施しています。 学内・学外を問わず、進学を歓迎します。

卒業研究の概要    

 前期には、凝縮系理論の入門的な教科書を、教員を交えて輪講します。 輪講を通じて量子多体系の理論の基礎を習得します。参加者全員で議論を重ねて正解に到達する経験は、その後の研究活動の貴重な糧となるはずです。

教科書の例:
 “Statistical Mechanics: A Set of Lectures”, R.P. Feynman: 量子統計力学、第二量子化

 後期には、豊富なテーマの中から興味のある課題を選び、指導教員と一緒により進んだ勉強や入門的な研究活動を行います。 物性理論は解析計算と数値計算を両輪に推進しますので、数値計算の基礎を学びます。研究成果を卒業論文にまとめて、卒研発表会で発表します。

教科書の例:
 「統計力学」 阿部 龍蔵(東京大学出版会): 場の量子論の導入、グリーン関数
 「超伝導入門 (上,下)」M. ティンカム(吉岡書店): BCS理論
 「固体の電子論 」斯波 弘行(丸善): 電子相関の基礎

卒業研究の例:
 「クーロン斥力による非従来型超伝導の理論」
 「銅酸化物高温超伝導体におけるスピン揺らぎ理論」
 「強磁場下ディラック電子のランダウ量子化」
 「多軌道強束縛模型に基づく交流異常ホール効果の理論」
 「グラフェンにおける輸送現象:クライントンネリングなど」

大学院の概要

 毎週の研究室セミナーで、研究進捗の報告や研究方針の議論を行います。 また外部から講師を招く集中講義やコロキウムをこまめに開催します。 さらに「Sc研夏の学校」に向けて教科書を選び、学生が主体で輪講を進めます。

 加えて修士一年では、第二量子化や場の理論を扱った教科書を選び、教員を交えて一年間輪講します。 これらに取り組むことで、研究に必要な知識を自然に身に着けることができます。

教科書の例:
 “Quantum Theory of Many-Particle Systems”, A.L. Fetter & J.D. Walecka: 場の量子論
 “Theory of superconductivity”, J.R. Schrieffer: 強結合超伝導の理論
 「強相関電子系の物理」 佐宗哲郎(日本評論社): 電子相関の理論、輸送理論

 修士課程の入学後まもなく、各自が興味を持つテーマに基づいて指導教員と研究課題を決めて、修士論文に向けた研究を開始します。 必要に応じて数値計算の指導も行います。研究が順調に進めば、研究会や日本物理学会における研究発表や、英文学術雑誌に論文を掲載することが可能です。

修士論文の例:
 「結合定数バーテックス補正を考慮した超伝導理論-軌道・電荷揺らぎによるトリプレット超伝導-」
 「銅酸化物高温超伝導体のおけるスピン揺らぎ誘起多段ボンド秩序の理論研究」
 「繰り込み群法を用いた電荷秩序の研究」

 博士課程では研究活動が本格化します。指導教員や共同研究者と協力して、独自の最前線の研究活動を推進します。 英文論文を執筆し、国際会議で発表する機会が増えます。研究成果に基づき「学振研究員」に申請し、採択されると研究奨励金と研究費が支給されます。 Sc研の博士課程に在籍する学生は、2018年度(3名)と2019年度(4名)は全員が学振研究員に採択されています。研究で活躍したい人は是非Sc研に来てください。

博士論文の例:
 「鉄系超伝導体における超伝導ギャップ構造及びペアリング機構の理論研究」
 「有機ディラック電子系のスピン感受率におけるクーロン相互作用の効果」

入試情報

 興味のある方はぜひ入試説明会に来てください。 3年生以下の学生も歓迎します。

 

大学院博士課程(前期課程)の募集について 


2020年度入学 入試日程
   入試説明会 2019年6月1日
   自己推薦入試     2019年7月13日~14日
   一般選抜入試    2019年8月21日~23日

[ 入試説明会に関して ]

入試説明会の後の研究室訪問の際に、Scグループの詳しい紹介を行います。 説明会の詳細は 物理学教室HPの大学院入試説明会案内 をご覧ください。 入試説明会に出席できない場合は、個別に対応致します。

[ 自己推薦入試に関して ]

受験を希望される方は、入試説明会にご出席ください。 その際必ず、下記連絡先に事前にメールでご連絡ください。 自己推薦入試の詳細は物理学教室HPの自己推薦案内をご覧ください。

[ 一般選抜入試に関して ]

受験を希望される方には、入試説明会への出席を推奨します。 一般選抜入試の詳細は物理学教室HPの一般選抜試験案内をご覧ください。 一般選抜入試の過去問題集もこちらに掲載されています。

物理学教室発行の研究室紹介パンフレット(pdf)

 

連絡先

〒464-8602 名古屋市千種区不老町
名古屋大学 大学院理学研究科 物理学教室 S研凝縮系理論グループ(Sc)
E-mail: kon(at)slab.phys.nagoya-u.ac.jp [紺谷浩]

 ※(at)を@に置き換えてください

 

最近の入学試験状況  

 Sc研はこれまでに様々な大学の出身者を受け入れてきました。 学内・学外を問わず、意欲ある皆さんの応募を期待しています。

 



自己推薦入試 入学者数
一般選抜入試 入学者数*


全入学者数*


学内
学外
学内
学外
2019年度
0
4
1(1)
0(2)
5(7)
2018年度
1
1
0(0)
0(3)
2(5)
2017年度
0
2
1(1)
0(1)
3(4)
2016年度
3
0
0
0
3
2015年度
2
0
0
0
2
2014年度
1
0
0
1
2
2013年度
2
0
0
0
2

*括弧内は合格者数

教員からのメッセージ

 研究活動の推進において、大学院生の皆さんの熱意が不可欠ですが、それだけでは不十分です。私たちは「日々の議論」を最重要視しています。研究室の教員や大学院生間の日々の議論を通じて、研究の楽しさを実感して下さい。仲間と議論を積み重ねながら、紙と鉛筆とコンピューターを駆使して「真実」の第一発見者となる至福の体験を重ねつつ、皆さんとともに私たち教員も成長したいと願っています。

 

大学院生からのアドバイス

  • 私は他大学から名古屋大学の一般選抜入試を受験し、物性理論研究室に所属しています。学部生のときに行った銅酸化物高温超伝導体の実験で物性物理学に興味を持ったことがこの研究室を選んだ理由です。大学院進学当初はなにもわからない状態からのスタートでしたが、研究を通してわかること、できることが少しずつ増えていきました。この分野に興味を持つきっかけとなった銅酸化物高温超伝導体の超伝導発現機構を理解したり、最新の論文の内容が少しずつわかるようになったりと、自分の成長を感じています。研究はいつもうまくいくとは限らず、間違えては悩むことの繰り返しですが、自分の研究で世界の誰も知らない問題の答えを見つけたときは、他の事では味わえない達成感があります。現在は、助けを借りながらも自分で研究が進められるようになりました。自分が成長できたのは所属する研究室に学ぼうとすれば、それに応えてくれる環境があるためだと感じています。質問をすれば答えてくださる教員の方々、先輩、後輩関係なく議論できる雰囲気など、とても恵まれた環境が整っていると思います。やりたいことが具体的に決まっている人も、そうでない人も「やる気」さえあれば充実した研究生活が送れると思います。
    [博士課程(前期課程) 2年]

  • 私は学部3年生で習った量子力学と統計力学に興味を持ち、理論的に超伝導物質や強磁性がなぜ存在するのか研究したいと思い、その旨を自己推薦書に書きました。研究室では物性理論を専攻しており、現在コバルト酸化物の物性を研究しています。院生になると学部生のころと比べて、自分の興味のある専門的な内容を研究できます。また自分一人で研究を進めるわけではなく、週に1度同じ分野で集まり、セミナーをおこない研究内容の問題点を明らかにしたり、内容を深く理解するため議論を行っています。他にもコロキウムで他大学の研究者の自分のテーマとは異なる内容の講演を聞いたりして物性物理を広く知ろうとしています。このように院では研究室の先生及び学生同士で活発なコミュニケーションをとっているため、いままでよりも深く物理を考えるようになりました。充実した毎日を送っています。
    [博士課程(前期課程) 2年]

 

 

最近のS研卒業生の進路

       

[ MC修了者の進路(DC進学者以外) ]

NTTシステムズ,四国電力,みずほ情報総研,総務省,特許庁, スズキ,パロマ,JR東海,旭硝子,大東精機,富士通FIP,NTTデータ,トヨタ自動車,キヤノン, 名大職員, 高校教員など.

[ DC修了者の進路 ]

ポストドクトラルフェロー(東京大,大阪大,名古屋大,京大基研), 昭和電工, ニコン, 高校教員(東海高校など)など.

[大学教員等]

名古屋大学, 奈良女子大, 豊田高専など.