物質は無数の電子と原子からできています。これらの粒子の量子力学的な性質と無限の自由度により、予想を超えた“新たな物理法則・物理現象”が発現します(創発現象)。電気抵抗が消失する超伝導はその一例です。続々と発見される金属電子の創発現象を、量子力学と統計力学に基づいて解明する研究に、私たちは取り組んでいます。
   金属電子論は21世紀以降に革命的な発展を遂げています。 鉄系超伝導体の発見(2008年)を契機に、軌道揺らぎがクーパー対を媒介する新規な超伝導機構が確立し、 量子液晶と呼ばれる自己組織化を伴う量子相転移が見出されました。 またグラフェン中で実現する線形分散を有するDirac電子が、 有機導体(2004年)をはじめ様々な金属でも発見され、量子幾何(トポロジー)の研究が勃興しました。 Sc研ではこれらの分野の端緒を開く重要な研究を行い、理論研究を先導してきました。 2020年以降は、幾何学的フラストレーションを有するカゴメ格子金属など、 様々な系に研究の幅を広げ、新規な量子状態(例えばループ電流相や量子液晶、交替磁性(altermagnetism)など)を理論的に解き明かし、 プレスリリース,,,,,,,)を行っています。 研究の詳細はこちらの資料や、以下の項目をご覧ください。

News & Information

2024年4月 学術変革領域研究(A)「相関設計で挑む量子創発」始動

物質は無数の電子と原子からできており、これらが持つ量子力学的な性質と無限の自由度によって、超伝導や相転移などの面白い現象が起こります。これら「量子創発」を深く研究するための5年間のプロジェクトが始まりました。我々は計画班A02(代表:田財里奈(京大基研))に参画し、金属における豊かな量子創発を解き明かします。


過去のニュース

Recent Colloquiums