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電流による磁壁移動とその周辺

河野浩 氏
Hiroshi Kohno
大阪大学大学院 基礎工学系研究科

2013年5月2日 13時00分 理学館506

微小な磁性体に電流を直接流すことにより,磁化反転や磁壁移動などの磁化操作を行うことができ、主として応用上の観点から盛んに研究されている。これらは,強磁性体中を流れる伝導電子が、交換相互作用を通じて磁化にトルク(スピントルクと呼ばれる)を及ぼすために起きる現象で、基礎物理学的にも興味深いものである。このスピントルクに関連した現象および理論について紹介する。具体的には、電流による磁壁移動や磁気渦励起、スピントルクの微視的理論、スピントルクの反作用としてのスピン起電力、それらの統一的記述について概観し、余裕があれば、最近の話題であるスピン軌道相互作用(ラシュバ型、ディラック型)の効果についても紹介する予定である。