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ツイスト2次元物質の物理

越野 幹人 氏
Mikito Koshino
大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻

2020年11月17日(火) 14:00~ (オンライン*Zoomを使用して実施します)

※本コロキウムは 第18回QLCセミナー、及び 特別講義談話会を兼ています。

2次元物質の大きな特徴の一つは、その全体が外界に露出しているため、互いに重ねることで性質が全く変わってしまうことである。その顕著な例の一つが、グラフェン2枚を角度をずらして重ねたツイスト2層グラフェンであり、格子構造の僅かなずれによって生じるモアレ模様によって、様々な特異な現象が現れる。特に魔法角と呼ばれる特別な積層角における超伝導の発見は物質科学における一つのブレイクスルーとなった。これ以降、グラフェン以外の様々な2次元物質のツイスト2層系も盛んに研究されるようになり、研究分野が急速に広がりつつある。本講演では、現在注目を集めるツイスト2次元物質の不思議な性質を紹介するとともに、その起源となる、特異なモアレ電子状態やフォノン状態を理解するための理論的アプローチを紹介する。